今月は、「開祖さま入寂会」の月です。ご入滅を目前にされたお釈迦さまは、自灯明・法灯明の教えを弟子に残されたと教えていただきます。今月は、この教えについて、「会長法話」を通して学ばせていただきましょう。
・開祖さまは「信仰というと、苦からの救われや願望成就を願って神仏に祈ることと考えられがちです」と述べられたうえで、「神仏に祈るだけでなく、仏法すなわち真理に随順した生き方を目指す」のが信仰と明言しています。
仏法を信じて身につけ、自分が仏になる、自分が仏であることに気づく……。仏教の信仰はその方向にあるということです。それが自灯明・法灯明の教えに基づいて生きていく仏道というものであります。
・本会でも、祈願供養などさまざまなお願いや祈りの風習が見られます。
一方で、私たちは祈願の先にある大事なことを、常に忘れてはならないと思います。その大事なこととは、「生老病死は人生につきものである。だからこそ今生きていることの有り難さに気づいてほしい」という仏の願いです。
・本会の基本信行の一つである朝夕の読経供養も、その実践をとおしてつねに仏さまの心にふれ、自灯明・法灯明の教えを基本にして生きるための行法といえます。
お願い参りも祈りも、それら神仏と向き合う機会はすべて、仏さまが「大切なことに気づくように」と願って与えてくださった契機です。そのことをよくかみしめて、日々の暮らしのなかでともどもに信仰を深めてまいりましょう。
自灯明・法灯明の教えに生きる姿とは、思い通りにならないことを思い通りにしたいという自分の願いに生きるのではなく、思い通りにならないことのなかに有り難さ・大切なことに気づいてほしいという仏の願いを忘れないで生きるとことだと教えていただきます。また、人や現象を変える信仰ではなく、自分が仏になる信仰をすることだとも教えていただきます。
私たちが今取り組んでいる、「×」を「〇」に変えようとする自分から、「×」のなかに「〇」を見いだしお伝えする姿勢を持ち続ける自分への転換こそ、自灯明・法灯明の仏教信仰だと思うのです。
十月・十一月は全国教会上げて開祖さまへの追慕・賛嘆・報恩感謝の月です。仏になる修行に引き続き取り組ませていただき、入会していただきたいと願う人への働きかけ、財施の働きかけもしっかりさせていただきましょう。