top of page
検索

平成二十八年八月度会長法話「まず 自分から」


今月は、「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」の月です。私たち日本人の悲願ともいえる、みんなが気持ちよく生きられる平和な世界をつくるために、自分に何ができるのか? 今月の会長法話を通して学ばせていただきましょう。

・ゴミをポイ捨てする人をいくら責めても、いらだちや怒りで、心に苦い思いが広がるだけですから、人の捨てたゴミのことで、自分の心まで汚すことはないのかもしれません。

散歩がてら、妻とともに道に落ちているゴミを拾い集めたことがあります。

そのときに気づかされたのは「捨てなければ拾わなくてすむ」という当たり前のことですが、そのおかげで「私はけっして捨てまい」と心に刻むことができました。同時に、道が汚れていて気になるのであれば、人を責める前に「まず自分から」行動を起こせばいいということを教えられた気がします。

気づいたら、まず自分から……ゴミ拾いに限らず、それは気持ちのいい日常生活をおくる手立ての一つです。

 そこで大事なのは、その行ないが自然な心のはたらきであること、そして実践

する自分がそれを楽しいと感じることだと思います。

私たちは、みな仏の御いのちをいただいている菩薩です。ですから、「してい

る」という意識や、「させられている」という不満があると楽しみにはならないでしょう。

大自然が無償の恩恵を注ぐように、困っている人がいたら自然に手を差しのべ、

汚れている場所があれば率先してきれいにする。そしてそれが楽しいという以外、何もとらわれるものがない。仏の遊戯三昧にも似たそういう心であることが、「まず自分から」の実践ということになるでしょうか。

・「協力」という言葉の「協」の字には、力をあわせ和合するとの字義があります。家族を労り、まわりの人を思って「まず自分から」心を寄せ、力をあわせるなかに、みんなが気持ちよく生きられる平和な世界が訪れるのでしょう。

 また、平和という意味では、積極的な行動だけがそのための「実践」ではなく、批判したくなるような人や許し難い人を包容していくこと、そういう意識の変革も、私たちの大切な実践行ではないでしょうか。

 毎日を気持ちよく平和に生きるには、責めたくなる人に出会ったら、どのくらいその人を受け容れていく自分になれるか、楽しみながら練習することのように思うのです。今月も、「×」と思うことのなかに、どんな「○」を見いだせるか、楽しみながら練習を繰り返し、意識改革をさせて頂きましょう。


閲覧数:14回

最新記事

すべて表示

平成二十八年十一月度会長法話「笑顔が幸せをつくる」

今月は、ご生誕百十年を迎える「開祖さま生誕会」の月です。「師を求むるにあらず 師の求むるところを求む」という「求道の心得」に倣い、開祖さまの代名詞のようにいわれる「笑顔」を通して、開祖さまのお求めになられたものを、今月の会長法話を通して学ばせて頂きたいと思います。...

平成二十八年十月度会長法話「祈りの先に……」

今月は、「開祖さま入寂会」の月です。ご入滅を目前にされたお釈迦さまは、自灯明・法灯明の教えを弟子に残されたと教えていただきます。今月は、この教えについて、「会長法話」を通して学ばせていただきましょう。 ・開祖さまは「信仰というと、苦からの救われや願望成就を願って神仏に祈るこ...

平成二十八年九月度会長法話「老いの輝き」

今月は、「敬老の日」の月です。 さて、誰もが必ず高齢期を迎えますが、そのときに素敵な高齢者になるには、どのような修行をさせていただけばいいのでしょうか? また、高齢者の善縁になるには、どのようなことを心がければいいのでしょうか?  今月の「会長法話」を通して、学ばせていただ...

bottom of page