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平成二十八年九月度会長法話「老いの輝き」


 今月は、「敬老の日」の月です。 さて、誰もが必ず高齢期を迎えますが、そのときに素敵な高齢者になるには、どのような修行をさせていただけばいいのでしょうか? また、高齢者の善縁になるには、どのようなことを心がければいいのでしょうか?  今月の「会長法話」を通して、学ばせていただきましょう。

・人生における晩秋といえる高齢期においても、一瞬一瞬をありのまま、素直に受けとめているかどうかが大切であります。元気に活躍することもさることながら、自分がいまあることそのものに目を向け、そこに映る輝きや有り難さに気づいている人をこそ、ほんとうの意味で光り輝く高齢者というのではないかと思うのです。

・老いには、つらいと思わせられる現実があることも否定できません。ただ、人にはいえない苦労や複雑な思いを抱え、愚痴をこぼしながら、それでも「元気になってほしい」と願う。心の奥底で、「一所懸命に尽くしたいと思う。そういう深い思いやりの心を呼び覚ましてくれたのは、間違いなく介護を必要とするその家族です。たとえ寝たきりの人であっても、光り輝く菩薩として、まわりにいる人たちの心田を耕す犁となり、鍬となっていることを忘れてはならないのです。

・開祖さまは「自分が生きていることがそのまま布施になるような人生を送りたい」といわれましたが、私たちには、生きる姿をとおしてさせていただける布施もあるのです。教会やサンガには、もうすっかりその下地が備わっているはずです。教会道場で学んだ仏さまの教えを家庭や社会で発揮する。お互いに助けあうことも、声をかけあうことも当たり前で、道場には思いやりがあふれている。道場で見られるそのような高齢者は、きっと若い世代の目標となり、地域においても大切な役割を果たすのではないでしょうか。

 「老い」は必ずやってきます。そのとき、つらい気持ちで過ごすのでなく、有り難さに気づいて輝いて過ごすには、それなりの練習が必要です。それが、一見不都合なこと・「×」と思うことにも、そのなかに有難いこと・「〇」を見いだし伝える練習なのです。そしてその姿は、人の心に安らぎと悦びを与える布施行にもなると教えていただきます。

さぁ、老いを迎えた人も、これから迎える人も、必ず来るその日のために、この練習をしっかりさせていただきましょう。


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