立正佼成会は「人づくり」の会です。調布教会では発足45周年に向けて、第一回全会員総手取りに取り組んでいます。それは会員になった人を信仰者に育てることです。今月は、この「人を育てる」手取りについて、会長法話を通して学ばせて頂きましょう。
・人を育てる立場の人は、「何のために」そして、「だれのために」人を育てるのでしょう。見た目には相手のため、そして組織や集団のためなのでしょうが、私は、一義的には、自分を磨くためのよい機会が人を育てることであり、教育とは相手の縁にふれて自分も共に育つことだと思います。そのように受けとめると、相手に対して過剰な期待をしたり、性急に成果を求めたりすることがなくなります。むしろ、うまくいかないときほど「このご縁は、私に何を教えてくれているのだろう」と自省をうながしてくれます。
教えるより先に自分を磨くこと、それが人を育てる最短の道だというのです。
・どういう人を育てることを目的とするのかといえば、私は「慈悲心のある人」の一語に尽きると思います。人と調和できる人、いつでも思いやりを忘れない人といえるでしょう。
では、そういう人をいかにして育てるのか。「相手と縁を結ぶ自分がそのような人になる」、それが一番の近道ということになります。
・「人にものを教えることはできない。自ら気づく手助けができるだけだ」といいますが、ほめたり、激励したりしながら、その人のもてる力が最大限に発揮されるような縁になることが、「人を育てる」ということになります。
・私は、外出するとき、「行って参ります」と申します。全てを尊い出会いにして、学んで帰って来る。その繰り返しが自分を磨く習慣となり、自他の胸に慈悲の心を育むことになると思うからです。
総手取りは、仏さまに「行って参ります」とお誓いして、相手の困っていることや悩んでいること・「×」のなかに、「有難いこと」・「〇」を見いだす練習を繰り返す修行です。田を耕せば稲がなります。こうして心を耕せば自分にも人にも慈悲の心が育つと教えて頂きます。さぁ、続けましょう。全会員総手取り。